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2019年テニスシーズン総括(変わるような変わらない構図とアンドレースク)

2019年のテニスシーズンは、今朝のデビスカップファイナルをもって終わりを迎えました。
スペインvsカナダの好カードとはいえ、さすがに日曜日の深夜開始の試合を見るわけにもいかず、ロングマッチなら朝見れるのではと思い、起床後すぐにテレビをつけましたがちょうどエンディングが終わったところでした。

2019年のトピック

GSの優勝者を見れば、ジョコビッチ、ナダル、ジョコビッチ、ナダルと、全米のチリッチ以来久々のGS初優勝は今年も現れない結果となりました。その一方で、ロンドンのファイナルの顔ぶれを見てみれば、BIG3を除く5人の最年長がティエム。BIG3と長年に渡りしのぎを削り、そのあまりに高い壁の前に涙を飲んできた同世代や少し下の世代の選手の名前にはそこにはありません。フォニーニ、バウティスタアグート、モンフィス辺りはいいシーズンといえるかもしれませんが、残りは怪我もあり厳しい一年となりました。
そうゆう点で、今年のテニスシーズンは変わるようで変わらない構図というキャッチコピーになりました。

女子テニスでいえば、アンドレースクの年です。女子では一番よく見ました。100位台でスタートし、全豪前哨戦と2月のツアーで結果を残して一つ山を超えれたかと思いきや、そんなレベルではなくて3月にはビックトーナメントであるインディアンウェルズで優勝。ケルバー相手に、チャンピオンシップのサービスをキープできなかった時は、おぉと思いましたが最後きちんと勝ちきっています。怪我で離脱した後、地元ロジャーズカップを制して全米へ。初出場だが、常に優勝争いでいえば対抗場ぐらいのポジション。強かったです。タウンセンドやセレナなどアメリカ相手の時がそうですがメンタルが強いです。久々の10代GS優勝となりました。
去年の春には日本の下部ツアーを回っていた選手が、一年と少し後には世界一になるんだなと驚くばかりです。この後、イマイチなのが今の女子テニス界の流れなので、果たして来年のアンドレースクはいかほどか。今年は、試合に出たら結果を残していたが、如何せん怪我が多い。

放映権の話

大きな変更はなし。主要大会は全試合生中継あり。
フレンチでは、同時に行われる試合を二つのチャンネルを使って中継。素晴らしい。ウインブルドンのマニックマンデーでもやってほしい。

DAZNのWTAツアー中継は、マンダトリー決勝やファイナルなどのビックマッチでも日本語コメンタリーがつかなくなった。ただ、中継試合は相当量ある。DAZNは人気ないとすぐに実況だけや英語コメンタリーにするので、見る人が少ないのだろうか。スポナビから受け継いだATP250の放映は完全になくなった。残りのATP250はWOWOWが大会後半だけ中継しているので、国内のツアー中継ではATP250の一部が完全に浮いている。

国別対抗戦はDAZNが放映権を持っているが、先のフェド杯決勝の中継はなし。デビスカップはWOWOWが中継するものの、DAZNでも日本語コメンタリーはないが中継はあった。今年の東レはWOWOWが放映してDAZNは中継なしだったが、デビスカップはそうではないようだ。

テニスの放映権は、ここ数年の状態(WOWOW,GAORA,NHKBS,DAZN,ATPTVなどの共存)は凄くいい環境だと思うので、このまま続いてほしい。

ITFポイント

ランク中位から下位選手に影響がある今年の年初から始まった新しいポイントシステム。個人的な理解では、ATPポイントはチャレンジャー以上でしか獲得できず、そのチャレンジャーに出るために25K/15KでITFポイントを獲得しないといけない。女子は25KでもWTAポイントは取れる。大阪の25Kを見に行く前に、ITFのACCEPTANCE LISTを見ると、欄が多くてよく分からなかった。上の選手がウィズドローしたら誰が入るんだろうか。
夏にはこのシステムは廃止になりました。とばっちりを受けた選手もいれば、若干ラッキーだった選手もいるのではないだろうか。

全豪とウインブルドンの最終セットロングの廃止

去年のウインブルドン準決勝 イズナーとアンダーソンの6時間36分の超ロングマッチの後、問題視されたので、今年から全豪とウインブルドンの最終セットにタイブレークが導入。全仏は変わらずに最終セットはロング。ただ全米のような普通のタイブレークではなくて、全豪は6-6の後に10ポイントのタイブレーク。ウインブルドンは12-12までは進行させその後はタイブレーク。

WTAファイナルがシンセンへ

シンガポールからシンセンになって、開催週も変わりました。日本時間だと、シンガポールより少し早い時間に試合が行われます。賞金は大幅にあがり1,400万ドル(おおよそ15億円)となりました。全勝優勝なら5億円近い優勝賞金になります。
バーティとスビトリーナの決勝は、女子テニスツアーの最終試合に相応しいいい試合になりました。

デビスカップのフォーマット変更

賛否両論ありますが、今年から1会場(マドリード)での決勝トーナメントとなりました。批判しているフェデラーとズベレフは仲良く、中南米ツアーです。

2019年今年のテニスベストゲーム ベスト3

今年、自分が見た中でのベストゲームです。

1位.ウインブルドン決勝「ジョコビッチvsフェデラー」

ジョコビッチ 7-6 1-6 7-6 4-6 13-12 フェデラー
4時間57分

今年は、迷いなくの試合。10年に1回ぐらいしか見れないと思う好ゲームです。

2位.フレンチオープン4回戦「ワウリンカvsチチパス」

ワウリンカ 7-6 5-7 6-4 3-6 8-6 チチパス
5時間9分

4回戦屈指のカード。中継は別試合でオンデマンドから視聴開始。特に第2セットが熱すぎる。次のセットはクールダウン。二人も現地観戦もテレビ観戦も皆クールダウン。試合を決めたポイントは、チチパスがウォッチしたボールは線の中に。試合終了。

3位.全米オープン決勝「ナダルvsメドベージェフ」

ナダル 7-5 6-3 5-7 4-6 6-4 メドベージェフ
4時間49分

「ナダル勝ちで決まり。インパクトはない決勝」と第3セットナダルがブレイクした時に思っていましたが、あれれ、ブレイクバックしてメドベージェフが1セット返す展開。見逃してないけど、何が変わったのだろうか。第4セットもタイブレーク?と思ったらメドベージェフ奪取。試合は完全にメドベージェフペース。会場は異常なまでの興奮ぶり。結果ナダル勝ち。メドベージェフは靴紐が気になったのだろう(多分)。
第5セット前半の熱は凄まじかったです。審判は試合をコントロールできていない。気の短い選手ならラケット折ってるシーンでも、二人共冷静です。審判が試合終了後にブーイングされています。Jリーグみたいです。

その他

全豪オープン4回戦「錦織圭vsカレーニョブスタ」、ウインブルドン準決勝「フェデラーvsナダル」、ATPファイナル「ジョコビッチvsティエム」。次点はこの辺りです。

各月のトピックス

全豪からネクストジェンまでいろいろ。

1月

マレーのセレモニー

10月にはツアー優勝しているのですが、母親やジェイミーも来て、試合前にはライバルからのメッセージもあったのは、結局何だったんでしょうか。

モンフィスとスビトリーナ

スビトリーナの試合を見ていたら、ファミリーボックスにモンフィスの姿。テレビ中継では、試合の合間に、選手インタビューを流しているのだが、その中で無人島に一人連れて行くならという質問がある、モンフィスは大人気。ダバディは、錦織のモンフィスとの返答に、今ならスビトリーナもついてくるといって笑いを誘っている。

10ポイントタイブレーク

今大会から開始の10ポイントタイブレーク。錦織圭vsカルロビッチのロングマッチで初めての10ポイントタイブレークを見た。

2月

フェデラーツアー100勝

チチパスとの再戦で祝ツアー100勝。

3月

アンドレースク。マンダトリーでツアー初優勝。

インディアンウェルズでツアー初優勝→全米でGS初優勝は、大坂→アンドレースクと続いたが果たして来年は。ツアー未勝利の若手は誰だろうか。

ティエム、インディアンウェルズでマスターズ初優勝

ティエムは、クレー三戦(モンテカルロ、マドリード、ローマ)ではなくて、ハードコートのインディアンウェルズでマスターズ初優勝した。決勝は、フェデラーが優勢だったが、最後の最後ティエムが優勝をもぎ取った。

4月

フォニーニ、モンテカルロでマスターズ初優勝、そして初のトップ10

準決勝でこの大会の主であるナダルを破っての優勝。

5月

特になし

6月

バーティ、ローランギャロスで初優勝。

意外にもクレーで初GS優勝。

フィリップ・シャトリエの中断ラストイヤー?

今年は中断が多かった。フランスの雨雲レーダーを見つつ、寝るか悩むのかは今年で終わりなのか。

7月

望月、ウインブルドンジュニア優勝

祝優勝。

1番コートの屋根

屋根がしまっている試合は自分は一度も見れなかった。日没で最初の屋根が閉まる試合を中継していたのは世界でWowowだけだと、次の日に紹介していた。

ウインブルドンの12-12のタイブレーク

今年から開始。マニックマンデーのプリスコバvsムチョバ戦で最初の12-12タイブレークかと思ったら、結果13-11で終わった。今年のシングルスではないかと思ったら、決勝で実現した。

8月

メドベージェフ。シンシナティでMS初優勝

ナダルに完敗したモントリオールに続いての決勝。ゴファンには悪いが、事実の決勝は準決勝のジョコビッチ戦。

9月

アンドレースク全米で優勝

上で書いた。

10月

ガウフ、ツアー初優勝

WTAリンツは昔からあるけど、決勝の最終セットだけだけど今回始めてみた。変わったコートである。ガウフは、今年一気にシニア選手としての階段を駆け上った。ワイルドカードでGS出て1勝したとか、下部ツアーで優勝とかいうレベルではなくて、ウインブルドンは予選勝ち抜いての本戦3勝、全米は本戦2勝に(それも負けたのはハレプと大坂)、WTAツアーで優勝までを成し遂げた。恐ろしい。04年生まれでは、現在68位のガウフの次はスコットというアメリカ人選手で600位台。それ以外はアルゼンチンの選手とジュニア卒業した光崎が1000位台にいるだけなので、いかに凄いかが分かる。

11月

シナー、ネクストジェンを制す。

年初500位台からスタート。ジュニアでは特に目立った戦績のない選手。今年始めて名前を聞いて初めて試合を見た選手だが、全米ではGSデビューして年末は100を切るランクでシーズン終了。ポイントはつかないけど、若手シーズン最終戦で優勝。オジャアリアシムに続くATP若手期待の選手。

ビックトーナメントの優勝者

男子 女子
GS ジョコビッチ×2、ナダル×2 大坂、バーティ
ハレプ、アンドレースク
ファイナル
MS(ATP)
プレミアムM+5(WTA)
ナダル×2、メドベージェフ×2
ジョコビッチ×2、ティエム
フェデラー、フォニーニ
チチパス
アンドレースク×2、バーティ×2
ベンチッチ、バーテンス
プリスコバ、キーズ
サバレンカ、大坂

MS初優勝が三人。フォニーニ、メドベージェフ、ティエム。チチパスは初のファイナルで優勝して、初のビッグタイトル。

ズベレフは今年はなし。ズベレフが決勝まで進んだのは、メドベージェフに完敗した上海マスターズだけ。セレナは、復帰後、勝てそうで勝てない決勝が続く。

BIG3に勝った選手

ナダル ズベレフ、チチパス、フェデラー
ティエム、フォニーニ、キリオス、ジョコビッチ
ジョコビッチ バウティスタアグート×2、メドベージェフ×2、ティエム×2
フェデラー、チチパス、ワウリンカ
ナダル、コールシュライバー
フェデラー ティエム×3、チチパス×2、ズベレフ
ディミトロフ、ルブレフ、ジョコビッチ
ナダル

ナダルは、若手に滅法強いイメージがあるが、こう見るとどうだろうか。よくわかんない。目立つのはバウティスタアグートのジョコビッチ2勝。ティエムのフェデラー3勝(それも2勝はクレーじゃなくてハード)
よく対戦している記憶があるのは、フェデラーとチチパス。非公式戦だけどホップマンでもスイスとギリシャは対戦している。

世界の中のローカル(大阪,京都)

東レが靭で開催

有明改修で、去年は立飛でしたが今年は靭にきました。いつもの靭テニスセンターが華やかです。指定席の大会とかほぼないので、席を探すのにあたふたしました。中之島で、東レラッピングした専用の送迎車を見ると、ツアー大会という感じがします(適当)。

ATPチャレンジャーズ京都廃止、京都W60K新設。

なくなってしまった。ATPチャレンジャー京都・・・。
オーストラリアの中堅選手や、日本の上位選手が参加するのでいい大会だったのに残念(去年の上位シードは、ミルマンとトンプソン)。大会がなくなるのではなくて、国内大会に格下げ、全日本選手権につぐ国内大会という扱いになります。

それで、今まで国内大会だった女子のほうが、国際化して60Kになりました。そして、男女別日程開催になりました。こちらは国内の時と違って、日本人トップ選手が参加します。国内大会の時はトップシードが400とか500位だったのだが、国際大会になると日比野や奈良が最上位選手になります

GSユアサが15Kから25Kに格上げ。

国内から女子15K大会が消えた。15Kでポイントが取れなくなった影響だろうか。GSユアサオープンも25Kに格上げされた。ここのおおよそ100万円の賞金差で(選手は微々たる賞金よりポイントだが)、選手の顔ぶれはかなり違う。京都の場合は、サーフェスは独特だし、次の週の花キューピットの予選の絡みもあるが、上は300位前後が出てくる。上もだけど中位の選手層がかなり違う。逆に言うと、ポイントがほぼないところから、最初の一歩を踏み出す環境は国内にはかなり少なくなったとも言える。

全日本ジュニアの第3セットはスーパータイブレイクに

試合時間短縮のために、第3セットは10ポイントのスーパータイブレイクになりました。