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データで見る、ヤフオクの送料無料(出品者負担)の普及具合。ヤフオクの狙いは進んだのか。

2018年10月中旬からヤフオクは、ヤフネコパックとゆうぱけっと&ゆうパックにおいて送料を出品者負担に指定すると、通常料金より安くなるというサービスを開始しました。通常料金との差額分はヤフオク側が負担するわけですから、ヤフオクとしては送料を落札者負担から出品者負担に持っていきたいと意図があることは明確です。
ライバルであるメルカリは、出品者負担の商品が大半ですが、落札者負担=着払いとなるので、ヤフオクの落札者負担とは意味は違います。ヤフオクの落札者負担(着払いを除く)は、落札額に送料を足した額を出品者に支払うのであって、どちらの負担にしても最終的に払う額と手間はメルカリと違ってさして変わらないシステムとなっています。

それから二ヶ月が経ちました。サービス開始時に行われた出品者負担を勧めるキャンペーン(Tポイントの配布)も終わり通常運用になっています。現在、出品されているヤフオクの商品の中で、送料の出品者負担がどれほどの割合かを調べてみました。

出品者負担でどれほど違うのか

ヤフオクで出品している人は分かっている話ですが、いま一度送料の額の違いを見てみます。

値段一覧

出品者負担落札者負担
ネコポス195円225円
宅急便コンパクト380円444円〜984円
宅急便80700円873円〜2277円
1201000円1327円〜3379円
1601500円1780円〜4480円
ゆうパケット175円210円
ゆうパック80700円740円〜1460円
1201000円1230円〜1960円
1701700円2030円〜2830円

2.5cm(ネコポス)、3cm(ゆうパケット)までといった薄い荷物を送る時に重宝するネコポスやゆうパケットは、数十円の違い。宅急便やゆうパックは、同じ地域同士や遠方ではない場合は数百円だが、片方が北海道や沖縄となると大幅な値段差になる。これらの地域でヤフオクを利用するユーザーにとっては、出品者負担で宅急便やゆうパックを利用することは大きなメリットと言うことができる。

送料が出品者負担の割合

全ての商品

割合合計送料無料
コンピューター14%1068K151K
家電、AV、カメラ14%3191K447K
音楽7%3247K238K
本、雑誌8%3993K319K
映画、ビデオ20%1407K274K
おもちゃ、ゲーム7%3477K255K
ホビー、カルチャー16%1546K242K
アンティーク、コレクション8%2674K211K
スポーツ、レジャー11%2822K311K
自動車、オートバイ35%28864K10117K
ファッション10%10030K1006K
アクセサリー、時計25%1535K389K
ビューティー、ヘルスケア12%638K78K
食品、飲料17%294K51K
住まい、インテリア13%3990K505K
ペット、生き物9%21K2K
事務、店舗用品17%642K111K
花、園芸17%216K38K
チケット、金券、宿泊予約13%217K29K
ベビー用品12%87K10K
タレントグッズ7%534K35K
コミック、アニメグッズ6%1019K58K
合計21%71513K14877K

12月下旬の某日に、ヤフオクの検索の条件を入れ替えて算出したデータ。全商品では送料の出品者負担の割合は21%。自動車オートバイカテゴリーの件数の多さが、合計割合に大きく影響されるため、このカテゴリーを除けば11%と送料の出品者負担の割合は1割ほどと少ない。

個人出品の割合

割合合計送料無料
コンピューター9%810K75K
家電、AV、カメラ15%1714K257K
音楽8%2230K177K
本、雑誌10%2363K235K
映画、ビデオ18%602K108K
おもちゃ、ゲーム8%2895K234K
ホビー、カルチャー16%1182K186K
アンティーク、コレクション8%1991K163K
スポーツ、レジャー11%2203K245K
自動車、オートバイ13%4814K639K
ファッション10%5702K562K
アクセサリー、時計19%844K158K
ビューティー、ヘルスケア11%537K57K
食品、飲料17%217K37K
住まい、インテリア11%2840K299K
ペット、生き物9%20K2K
事務、店舗用品13%441K59K
花、園芸13%144K19K
チケット、金券、宿泊予約14%188K26K
ベビー用品11%82K9K
タレントグッズ6%510K32K
コミック、アニメグッズ6%957K53K
合計11%33285K3630K

ストアからの出品を除いて、個人の出品者に限ってデータを算出してみる。ヤフネコパックとゆうぱけっと&ゆうパックは個人の出品者しか利用できないため、今回のシステム変更が影響がでるとすれば個人出品者なわけだが、11%となっている。システム変更前のデータがないので、変動を知ることはできないが、11%というデータが決して多い値ではない。

コンビニ受取商品場合

割合合計送料無料
コンピューター25%44K11K
家電、AV、カメラ29%95K27K
音楽15%194K28K
本、雑誌20%247K49K
映画、ビデオ16%53K9K
おもちゃ、ゲーム12%357K41K
ホビー、カルチャー22%77K17K
アンティーク、コレクション13%172K23K
スポーツ、レジャー22%179K40K
自動車、オートバイ31%154K47K
ファッション19%770K146K
アクセサリー、時計23%70K16K
ビューティー、ヘルスケア19%46K9K
食品、飲料39%18K7K
住まい、インテリア22%143K31K
ペット、生き物17%1K0K
事務、店舗用品19%21K4K
花、園芸20%8K2K
チケット、金券、宿泊予約26%9K2K
ベビー用品23%4K1K
タレントグッズ10%64K7K
コミック、アニメグッズ7%160K12K
合計18%2887K528K

次にコンビニ受取商品に絞ってデータを算出してみる。ゆうぱけっと&ゆうパックのみコンビニ受取が可能となる。定形やレターパックなどで送る場合、今回のシステム変更における影響はない。影響があるゆうぱけっと&ゆうパックの利用に絞ると、送料の出品者負担は18%と、個人利用全体の値よりも多い数字となった。

まとめと、送料は出品者負担で出すべくかどうかの個人的に見解

システム変更前のデータがないが、このシステム変更によって出品者負担が大幅に増えたとは到底言えないと思う。
半数から2/3以上ぐらいの商品が、送料の出品者負担にでもなれば、送料の落札者負担というのは目立つ存在でデメリットになりうるかもしれないが、現状ではそうともいえない。

多くの商品が出品されていて、ある程度相場が決まっている商品かつ匿名配送を使う場合であれば、落札者は送料を含めた金額で商品を比較するので、落札者が支払う同じ金額であれば、最終的に出品者が受け取る金額が多くなる、そのため、送料の出品者負担は有用だと思う。
逆にオークションで競いあうような商品であれば、送料のことなど考えずに競っていくので出品者負担にするメリットは少ない。また、同じ落札者から近い期間で商品を複数個落札された場合、送料が落札者負担であればまとめて取引のお願いや一旦待って欲しいという連絡がくるが、出品者負担の場合は落札者は気にしないので、本来一回の配送でいいものが複数回必要になる場合も出てくる。似たような商品を多数出品していて、同封購入が多そうな場合には送料は落札者負担の方が望ましい。