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2018世界スーパージュニア決勝。「クララタウソンvsウンチェン、齋藤惠佑vsユンチャオケテ」

秋空、快晴の靭テニスセンター。多くの観衆が集まった。

女子決勝:クララ・タウソン(デンマーク) vs ジェン・チンウェン(中国)

タウソン[1] 6-1 6-0 チンウェン[2]

トップシード同士の戦いとなった女子決勝。第1シードのクララ・タウソンは、ここまで失ゲームが5試合でわずか7ゲームという圧倒的な強さを見せている。

タウソンのサーブからゲームは始まったが、いきなりタウソンが7ポイントの連取。現時点では、実力差というよりチンウェンのチャンスボールのエラーが目立つ。試合の入りが悪かったようだ。
タウソン1ブレークでチンウェンの2回目のサーブ。ようやくボールが入るようになってきた。ウンチェンのサーブは強力で、ファーストサーブで外に追い出してオープンコートを作って3本目でウイナーを取るポイントが続く。ようやく本格的な勝負が始まるかと思ったが・・・、タウソンがこのゲームもブレイクする。何だ、この強さと思い始める。

タウソンのサーブは強力で、ファーストが入れば殆どポイントを取ってしまう。セカンドの質も悪くなくて、ウンチェンが叩いて有利に展開を進めるシーンも殆どない。ウンチャンのブレイクチャンスはわずか一度のみ。タウンソのサービスが7回あったが、半分近くがラブゲームのキープで、とてもブレイクできる感じはしない。
一方でラリーに目を移すと、北欧の壁とは言えないが守備力は決して低くない。ウンチェンが振り回してもある程度の所なら、ラリーが続くし、返球がいいので、数ショットでウンチェンペースからタウソンペースに移ることもしばしばある。どうしてもウンチェンは、普通にラリーを続けるとジリ貧になるのでウイナーを取りに行くショットが増えるので、見事なウイニングショットなどはチンウェンに目立つ(もちろんエラーも増える。)。唯一取ったゲームは、サーブの入りがよくて、早い段階でウイナーを取った第6ゲームぐらいだ。チンウェンぐらいのサーブを持ってしても、このレベルじゃないとサービスキープできないのかと思った。
第2セットのタウソンは、第1セットよりも攻撃的で、強力なリターンエースがあったり、信じられない角度のウイナーが有ったりと攻撃的なテニスの一面を少しだけ見せてくれた。

12時前に試合は決着した。試合時間は45分ぐらいだろうか。タウソンの圧倒的な強さで今年の世界スーパージュニアの女子決勝が終わった。今後が楽しみだ。

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男子決勝:齋藤惠佑(グローバルプロ) vs ユンチャオケテ(中国)

齋藤 7-5 6-0 ユンチャオケテ[2]

最初の3ゲーム、ラリー戦は互角である。サーブの質はユンチャオケテの方が一枚上手なので、このペース進めば斎藤はブレイクチャンスはあるとしても、サーブキープに苦しむ展開になるだろう。
しかしながら、斎藤二回目のサービスゲームで少し流れが変わっていく。ユンチャオケテの逆をつくようなエースショットが数本続き、ユンチャオケテからは少しやりずらそうな気配を感じる。次のユンチャオケテのサービスは、サービスで優位を立つことが殆どできず、ラリー戦は斎藤が一つ上でラブゲームでブレイクする。
朝の寒さが嘘のように、かなり温度が上がってきおり、見ている方も暑くて不快になってくる。風が殆どないので、選手はかなり暑いだろう。ユンチャオケテは熱そうで、頻繁にタオルで汗を吹いている。

ブレイク後の斎藤のサービスゲームで、ダブルのブレイクポイントがつく。斎藤に流れがあるのか、一本目はいいショット、二本目はネットインでのサービスエースで凌ぐ。ネットインサービスエースに、それはないだろうと顔をしているが、これがルールである。
第1セット中盤は、互いにチャンスボールでのダウンザラインエースが目立つ。長いラリーが多くて、互いに甘いボールがくれば仕掛けられるので、どうしてもラインぎりぎりのボールが増える。ユンチャオケテは判定に不満を持っているようだ。観客席から見る限り、微妙すぎて全く分からないので、そう思うのもしかたないような気もする。同じグレードAのグランドスラムジュニアと違って、スーパージュニアではチャレンジシステムはないが、チャレンジシステムが欲しい内容である。

齋藤のSFS前のユンチャオケテのサービスキープが素晴らしい。ユンチャオケテはかなり集中力を上げてきている。斎藤はこの流れを止めることはできず、SFSをラブゲームで落として5-5で試合は進む。
次のユンチャオケテのサービスゲームがこの試合のハイライトであり、勝負を分けてポイントである。
ラリーが続く。先に仕掛け方が反対にカウンターを食らう展開が多い。甘いボールがくればウイナーが炸裂するが、互いに甘いボールが殆ど入らない。ジュースでの高いレベルでの戦いが続くが、斎藤がここをブレイクした。第1セットは一時間近い激戦であった。

第二セットは、斎藤のショットが素晴らしい。吸い込まれるように素晴らしいコースにショットが乗ってくる。ユンチャオケテは、何だよこのショットという表情を隠せない。相変わらず判定には不満がある様子だったが、ラケットにあたったりと言った目に見える形でのフラストレーションの貯め方はなく、最後まで頑張っていたが、何より斎藤のショットがどうにもならないほど良かった。