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SLIK スプリント PRO II-持ち運び容易な軽量三脚

昨年秋の涸沢で、安物の小型三脚を壊してしまい、手元にある三脚はエイブル 300 EXのみの状態になってしまった。この三脚は、安定感はあるし、凄く使いやすいものの、重量が2.5kgもあるので使える範囲は限られる。もちろん山に持っていくなんて論外の三脚である。

日帰りの時は三脚は持参しないが、テント泊の時は、夕方から朝にかけての山のハイライトといえる景色を撮影したいので、三脚は多くの場合持参する。ガチで山岳写真をしている人みたいに、一つの地点で何時間や何日と待機するようなことはしないが、少なくとも出会った景色を写真として残しておきたいと思っている。

軽さ

一に軽さ、二に軽さ、三に軽さ。というぐらい軽い三脚を求めたい。

下界ではたかが数百グラムと思うことが、一日に何時間と歩く山の上では何百グラムは大きな負担になる。あふれんばかりの体力でもあれば、冬山以外はそうゆうことにはならないけど、残念ながら僕にはその体力はない。山道具を見たって、おそらく普通の人が理解できないほど、軽量化・小型化された商品に高いお金を払っている。

軽さを求めるのは山ではなく風景でも一緒である。車で撮影地まで乗り付けて撮影する人は別だけど、歩いて撮影地を回るなら軽い三脚にこしたことはないと思う。

コンパクト

山に持っていくなら軽いだけではなく小さくコンパクトに収納できる三脚でなければならないと思う。バックパックの中に三脚を収納するのが理想だけど、現実的には外付けとなる場合が多い。あまり大きすぎると枝とかに引っかかりして危ない。

コンパクトさは山だけではなくて街の撮影でも役に立つ。三脚を手でも持たなくてもザックに入るというのは歩く際、非常に楽である。

悩んだ製品

SLIK スプリント47(870g)、Manfrotto COMPACT三脚フォトキット(1000g)、ベルボン ULTRA MAXi L(990g)辺りを候補として見ていた。1000gを切るけども、EV無しでの全高はそこそこなモデルである。値段は、5000円から1万円ぐらいである。

決めた理由

SLIK スプリント PRO II CGN (940g)を購入したのは、早い話は安かったから。メーカー希望小売価格が16,000円で、大体お店やネットで9,000円から10,000円で売られている製品が、アマゾンのマーケットプレイスで新品が5,250円と激安に売られていたので、ヨドバシに現品を見に行って直にポチッとした。

全体像

全部伸ばすとこんな感じ。想像以上に安定しており、普通に使えるレベル。

エレベーターも伸ばしてみる。こうゆう平らな場所に立てると僕の身長が低すぎてカメラに届かないという残念な話。

雲台

自由雲台モデルです。3way好きですが、同じモデルだと160gも自由雲台の方が軽いので、もちろん自由雲台です。

縦アングルも問題なし。

クイックシュー利用です。クイックシューへの取り付けは、コイン形式なので、小銭がないと三脚が使えないです。

ローアングル

取付部分の開脚ストッパを引き出します。

エレベーターを外すと、ローアングルの撮影もできます。おそらくは使うことはなし。

袋も付いています。40gと重量があるので、山に持っていく物ではないです。風景写真でも撮るなら重宝します。

ザックに装着

雲台は簡単に三脚から外せます。

オスプレーのケストレルにつけてみました。雲台は別に持っていった方がよさそうです。

ファーストインプレッション

さすがに電気屋で売っている1000円から3000円の三脚とは一線を画しています。雲台は圧倒的に使いやすですし、ある程度伸ばして状態でも安定しています。今後、上に載せるカメラをコンデジ中心にしたいと考えているので、個人的には十分すぎる三脚だと思っています。

参考程度に留めてもたいですが、ミラーレス・APS-Cに適用した三脚です。APS-Cでも、大玉を付けたらもちろん別です。フルサイズは、レンズが軽いなら大丈夫だと思いますが、フルサイズが活かせるようなズームレンズだと厳しいと思います。ペンタの645とか67は、僕はこのレベルの三脚に付けて使っていたこともありますが、あまりオススメしません。もう一ランク上の三脚が適切です。マミヤ7とかその系統のカメラは多分問題ないと思います。

夏山で使ってみて

三脚単品で考えてみるとダメですね。安定感は悪いですし、雲台も使いづらく微妙に動いたりします。風が強い時にバルブするのはなかなか難しい作業です。それでも、これまで使ってきた1.5kg以下の三脚ならダントツに素晴らしい性能だと思います。重さと、安定感や使いやすさはトレードオフの関係です。山の上は下界とは違うので、この辺りが落とし所かと思っています。後、1kg出せばもっと安定する三脚が手に入るのも事実ですが、登山ウェアとギアで1kg軽量化するのは大変です。

軽さを優先するなら素晴らしい三脚だと思いますが、重さにある程度寛容な人ならもう少し上の三脚を購入することをお勧めします。

データ

重量 940g
エレベーター下げ全高 1315mm
縮長 470mm