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中アの紅葉。千畳敷カール−木曽駒ヶ岳テン場−濃ヶ池

2013秋の千畳敷カール。

短くも賑わった夏は終わりを迎え、もう冬はそこまで迫ってきている。9月下旬から10月上旬にかけて、標高2600mのここ千畳敷カールは、本州の先陣を切る形で紅葉は見頃を迎える。山の秋は思いのほか短い。

ロープウェイの始発点しらび平も標高1600mだが、この辺りの木々の色づきはまだ始まっていない。秒速7mの速さのロープウェイで、標高を少しずつ上げていくとロープウェイはガスの中に入っていった。次の瞬間、満員のロープウェイから歓声がわいた。ガスが抜けると、視界の先には絶景の紅葉があった。
到着した、千畳敷駅の温度計を見ると、気温は10℃。寒い。ザックの中から服を一枚を取り出し、千畳敷の遊歩道へと向かった。

初日:名古屋から高速バスで千畳敷へ。

恵那峡SAに停車中の箕輪行き名鉄バス。

前日の夜遅く、大阪から近鉄の鈍行列車を乗り継ぎ、名古屋駅に降り立った。駅西口のネットカフェで一泊し、翌日、名鉄バスセンターを7時30分に出発する高速バスに乗り込んだ。
紅葉の時期だけあり、名鉄バスセンターでは、登山客を多く見かけた。大半は松本もしくは富山行きに乗車したのか、このバスに乗車した登山客は、自分と外国人登山者の僅か二人だった。彼とは、途中、宝剣山荘で再開した。

名鉄バスセンターと箕輪を結ぶバスは、下りの朝の一便、上りの夕方の二便に限って菅の台バスセンターに立ち寄る。今回乗車したバスが、菅の台に立ち寄る唯一の下りのバスになる。
(それ以外のバスの場合は、駒ヶ根インターで下車して、女体入口より中央アルプス観光のバスに乗車する。)

紅葉時の千畳敷の混雑に戦々恐々で有ったが、菅の台バスセンターで下車するとバス待ちの人は数十人と少ない。バスは大丈夫でもロープウェイは一時間ぐらいかもと、隣の人と心配をしていたが、しらび平についてみるとどこにも行列は見当たらない。15分ほど待つと、臨時のロープウェイに乗車でき、千畳敷へと向かった。最盛期でも、平日ならこんなもんである。

千畳敷

降り立った千畳敷は、再びガスで視界不良である。

宝剣岳も雲の中である。

登山届を提出した後、剣ケ池経由で宝剣山荘を目指し、歩き始めると徐々に視界が開けてきた。

剣ケ池から、宝剣岳。

右側のナナカマドは早い時期の霜でやられてしまっている。しかしながら、左側のダケカンバと生き残ったナナカマドは美しい。

剣ケ池に映る、逆さ千畳敷ステーション。

千畳敷の遊歩道から少し入った場所(行き止まりの登山道)にある岩の上から見た千畳敷の紅葉が一番綺麗。遊歩道からの一歩が、少し降りづらいのもあり訪れる人は少ないが、ここが絶景である。

再び空が暗くなってきた。さて、そろそろ千畳敷を後にして、テント場を目指す時間である。写真の中央の部分を登っていく。

千畳敷から木曽駒ヶ岳へ

千畳敷を背に八丁坂を登っていく。夏山シーズンは大変混雑するこの場所だが、紅葉時の平日の昼、登る人・下る人は共に疎らである。この時期、千畳敷へ向かう人の大半は遊歩道を歩くだけの観光客がメインで、登山客は少数派である。
千畳敷の賑わいとは対照的に、夏山シーズンの終わった木曽駒ケ岳付近は閑散としていた。

この時間から登りはじめた人は、山小屋泊の人が大半かと思ったが、聞こえてくる会話によると日帰りの人も少なくないみたいである。千畳敷と木曽駒ケ岳の往復のCTは、3時間40分。時計を見ると12時を大きく回っている。秋山のシーズンでも、結構忙しい登山をするんだなと思った。

坂を登りきり稜線に出ると、中央アルプスでは(恐らく?)一番メインとなる山小屋 宝剣山荘に到着する。

高速バスで一緒だった外国人登山者とここで再開した。どこまで行くのかと尋ねると、今から木曽駒に登って、今日は避難小屋に泊まるとの事。避難小屋は確か木曽駒周辺には無いはずだよなと思いながら、会話を続けていると、避難小屋とは檜尾岳避難小屋の事らしい。健闘を祈って先に行くことにしたが、早々と中岳の山頂付近で抜かれてしまった。しかし、その長い工程ながら余裕の表情は見習いたいような、見習いたくないようなである。

手前に見える山小屋が天狗荘で、奥が宝剣山荘。
木曽駒ケ岳周辺には4つの山小屋があるが、天狗荘とテント場のある頂上山荘は繁栄期だけの営業なので今日は営業はしていない。今日みたいな平日に営業しているのは、宝剣山荘と木曽駒ケ岳の先の木曽殿山荘の2つのみである。

中央アルプス唯一の幕営指定地がここ、木曽駒ケ岳山頂小屋前のテント場である。中岳と木曽駒ケ岳のコルに位置しているため、稜線のテント場にしていは風は弱い。ただ、西側からの風は強いので、風よけとして至る所に石が積まれている。
到着時のテントは二張りのみ。場所は選び放題である。トイレからは少し離れるが、立派な風よけがある場所にテントを貼った。

最終的には、自分のテントを含めて6張り。ソロが4張り+二人用が1張り+もう一つは不明。メーカーは、アライテント・ニーモ・mont-bell・PAINE・オクトス・メスナーと並んでいた。

トイレは、トイレットペーパーが備え付けられている綺麗なトイレ。中は少々暗いが、かなりランクの高いトイレだと思う。トイレの手洗いの水は、沢から引いているらしく、水はトイレの手洗いからもらう形になる。トイレ代と水代込みで、幕営代金は800円。

夕食まで時間があるので、ガスってはいるが、最低限の荷物をザックに詰めて木曽駒ケ岳に登ることにした。テント場から、木曽駒ケ岳山頂までは20分の登り。

山頂も当然ながらガスっているので、木曽駒ケ岳山頂からの眺望は明日にお預けである。頂上に到着時は誰も居なかったが、宝剣山荘から山ガールが3人、木曽殿山荘からも女性が1人が登ってきた。

あまり長居してもしかたないので、山頂の神社で明日は晴れますようにとお願いしてテントまで戻った。

アルファー米とレトルトで作った牛丼とお味噌汁を食べて、18時ぐらいには就寝した。夜、トイレのために外に出ると、あまりの寒さに体が震えた。だが、星空は本当に美しかった。

二日目:木曽駒ヶ岳からのご来光

4時30分起床。カメラ、三脚と防寒具などの最低限必要な物をバックパックに詰めて、ヘッドライトの光を頼りに木曽駒ケ岳までの登り道を歩いていく。後ろを振り向くと、中岳の方からヘッドライトの光が数個見える。宝剣山荘から木曽駒ケ岳に向かう登山者である。

木曽駒ケ岳山頂へは一番乗り。山の最も美しい時間の始まりである。

地平線が赤くなり始めてきた。真ん中に見えるのは八ヶ岳の山々かな。

雲の下の明かりが見える。奥に見えるのは北アルプスの山々。

こちらに目を向ければ、南アルプス。そして富士山。

空が徐々に明るくなる。

手前の稜線の紅葉が美しい。雲海、そしてはるか遠くの北アルプスが視界に入る素晴らしい景色。中アから見ても、槍という存在はやはり特別な気がする。

白峰三山そして富士の山。

圧倒的な存在感を放つ御嶽山。富士とただ2つの3000n峰の独立峰であり、日本で最も西にある3000n峰である。美しい。

テント場を見下ろす。さてと、そろそろテントまで戻ろうかなと思う。

稜線を歩いて濃ヶ池へ

昨日はガスで何も見えなかった、テント場からの眺望。今朝は、雲海と南アルプスの山々が視界に入る。

相変わらず遅いのがテントの撤収。天気がいいので、今日は特に遅い。撤収が完了したのは、7時を大きく回っていたが、自分が最初の撤収者らしい。今日のテント場はのんびりとした時間が流れていた。

テント場から15分ほど歩くと、木曽駒ケ岳からの道と合流する。

濃ヶ池方面に行く女性二人組とここで出会った。話をしてみると、大阪から来ており、昨日自分が乗ったバスの一時間後のバスで現地入りし、今日は同じバスで名古屋まで戻るそうだ。ほんの僅かな区間だけ一緒に歩いたが、写真を撮影するので、先に行ってもらった。下山後、こまくさの湯に行くのも一緒なので二人とは下山先でまた会うことになるだろう。

雲海は時間の経過ともに消えつつある。相変わらず御嶽山が素敵である。御嶽山は個人的には独立峰だと思ってきたが、こう見ると右側に見える乗鞍と繋がっているような気もしてきた。

最高の稜線歩きである。

眼下に濃ヶ池が見える。濃ヶ池から稜線への道は北に続いているので、濃ヶ池を眼下を見ながら稜線を歩く時間が思いのほか長い。

紅葉の山の混雑とは無縁のこの場所。ただただ静かな時間が流れる。

濃ヶ池から駒飼ノ池まで。水平道を歩く。沢を渡って、梯子を登って、ガレ場を登る。梯子から駒飼ノ池までの登りはキツかった。駒飼ノ池から宝剣山荘までの単調な登りに備える体力を養うのに、駒飼ノ池で少々休憩時間が必要だった。

この境界で見た登山者は、自分と同じ木曽駒-濃ヶ池-駒飼ノ池ルートの人が、一時間ほど先に10名以上の団体客、稜線に出た所で出会った女性二人組、後ろには男女二人組のペア。すれ違った人は、濃ヶ池で写真を撮りに来ていた単独行の男性、濃ヶ池から駒飼ノ池の間で、毎年来てるらしい年配の夫婦と、写真撮影の単独行の男性と本当に静かな境界である。

山雑誌の紅葉関係の特集記事で、濃ヶ池周辺は何度か見かけたのだが、正直、来る前までは千畳敷のおまけという認識でしかなかった。木曽駒ケ岳に登りたかったので日帰りではなくテント泊をして、帰りのバスの時間まで余裕があるので、こちらを回ることになり、本当に良かった。素晴らしい紅葉と山でした。

宝剣山荘まで来れば、下山先の千畳敷は目の前である。

千畳敷へ下山。帰路へ。

宝剣山荘の前で昼食を取り、千畳敷へと下山する。徐々に千畳敷カールが視界に入っていくが、昨日より美しいように思える。紅葉は一日でこんなに変化するのかというのを実感する。日帰りで木曽駒に登った人の話だと、千畳敷は朝よりも綺麗らしい。

帰りは剣ケ池を経由しない遊歩道で千畳敷駅へと向かった。ロープウェイの混雑が始まる前に、千畳敷を後にした。帰りも待ち時間なしである。

早太郎温泉 こまくさの湯。温泉に入った後、食堂でミニソースカツ丼セットを頂く。
ここで、先ほど稜線で出会った女性二人組と再開。缶ビールを少し頂いて乾杯をしました。ごちそうさまでした。

こまくさの湯から菅の台バスセンターまでは歩いて数分の距離。バスセンターに隣接するJAの施設でお土産を購入して、名鉄バスセンター行きのバスに乗車。行きと違い、帰りは混雑している。途中、恵那峡SAでは伊那と大阪を結ぶ伊那バスが隣に並んだ。あちらも混雑している様子だ。駒ヶ根ICから京都深草までバス一本で行けるのは、楽で早いのだが、名古屋を往復したほうが運賃が安いので大阪行きではなく、帰りも名鉄バスを選択している。

名古屋からは近鉄線で帰宅。鈍行でもまだ帰れる時間だが、あまり遅くなるのは色々とマズイので、帰りは大和西大寺まで特急を利用した。低山や街の紅葉はまだこれからだが、さてと来年の紅葉はどこに行こうかともう考え始めた。いい山でした。終わり。

2013/10/2(Wed)

  • 新田辺-大和八木-伊勢中川-近鉄名古屋 近鉄線
  • ネットカフェマンボー名駅本店(泊)

2013/10/3(Thu)

  • 名鉄バスセンター7:30-菅の台10:02 名鉄バス
  • 菅の台10:15-10:45しらび平11:09-11:16千畳敷 中央アルプス観光
  • 千畳敷11:35-13:10宝剣山荘13:20-13:50頂上山荘TS15:05-15:30木曽駒ケ岳15:40-16:00頂上山荘TS
  • 木曽駒ケ岳頂上山荘テント場(泊)

2013/10/4(Fri)

  • 頂上山荘TS4:45-5:10木曽駒ケ岳6:05-6:20頂上山荘TS
  • 頂上山荘TS7:45-9:30濃ヶ池9:40-10:30駒飼ノ池10:45-11:25乗越浄土11:50-12:55千畳敷
  • 千畳敷13:30-13:37しらび平13:50-14:22菅の台 中央アルプス観光
  • 菅の台16:40-名鉄バスセンター19:25 名鉄バス
  • 近鉄名古屋20:00-21:37大和八木21:52-22:08大和西大寺-新田辺 近鉄線(名古屋-大和西大寺:特急)

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