今年、涸沢の紅葉を見に行く人におくる5つのトピック。[2014年版]

9月末から10月上旬。涸沢が最も美しく、そして一番賑わう季節がまもなくやってこうようとしている。

日本一の紅葉という声も少なくない、日本を代表する紅葉スポットである涸沢。山に登るもの、風景を撮影するものにとっては、一度は訪れたい憧れの紅葉スポットである。しかし、二度訪れたいかはわからない。なぜなら、それは考え難いほどの人がこの数日間に涸沢を訪れるからである。

涸沢の場所

北アルプス(飛騨山脈)の南部に涸沢は位置している。標高3190m 日本3番目の高さを誇る名峰 奥穂高岳、そして涸沢岳、北穂高岳。3つの3000m級の山々を見上げる圏谷に涸沢はある。

ここ涸沢には、200名を収容可能な涸沢ヒュッテ、100名を収容可能な涸沢小屋という2つの山小屋。そして、2つの山小屋が共同で管理する国設涸沢野営場がある。涸沢のテント場は、1000幕を超えるテントを貼ることが出来る、おそらく日本で最も人が集まったテント場である(フェスとかを除く)。

詳細は後述にするが、涸沢へのアクセスは、長野県の上高地から、距離にして16km、標高差にしておよそ800mを歩くことになる。
険しい山道というわけではないが、いつ積雪があってもおかしくない秋、そしてそこは標高2000mを超える北アルプスである以上、ある程度の準備は必要不可欠である。

2014年 涸沢の紅葉の見頃はいつか。

例年の見頃

数年前までは、9月の下旬に紅葉のピークを迎えていましたが、最近は温暖化の影響かは知りませんが、10月の第一週目にピークを迎えることが多いです。
2011年は、涸沢に限らず信州の山間部の紅葉は早い時期に霜でやられてしまったので、見頃という日はなかった年でした。10年に一度の外れの年でした。
2012年は、10月1日ぐらいから10日間ぐらいが見頃でした。4日の朝には涸沢に虹がかかり、7日は穂高の稜線に雪が降ったために、紅葉・雪・青空という三段紅葉が見れたりと比較的当たりの年だったと思います。
昨年(2013年)は、中アルプス(濃ヶ池)の紅葉を見に行っていたので生では見ていないですが、ネットにUPされている山行記録を見ると5日・6日の週末から数日間が最も見頃だったように思えます。

2014年のカレンダー

28 29 30 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18

2014年のカレンダーです。ここ数年の傾向であれば、週末であれば4日,5日の土日が一番いいと思います。平日に行かれる人なら、その前か後かは難しい所です。
11日から13日は三連休なので、登山にはいいですが、涸沢から見る紅葉の見頃は過ぎていると思います。ただ、涸沢周辺とか涸沢の下の辺りは見頃を迎えているはずです。

今年(2014年)はここ数年に比べると早いようです。上の記述は例年ですのでご注意ください。

涸沢の情報

涸沢の山小屋

まずは2つの山小屋のホームページです。例年、細かく更新されています。

ヒュッテから上の紅葉は、7分程度です。
ピークは今月末辺りだと思われます

涸沢ヒュッテより

ヒュッテの25日の写真を見るとかなり色づいています。26日の朝の涸沢小屋の写真を見ると、もう見頃近しではないでしょうか。早いですね

穂高の山小屋

涸沢の上、穂高の稜線に有る穂高岳山荘の有名な小屋番さんのブログです。

その他サイト

情報源は山小屋ですが、大型紅葉情報サイトにも涸沢には掲載されています。水平歩道とか裏剣とか天狗原とか山岳紅葉の名所は沢山ありますが、要登山の場所で一般的な紅葉サイトに掲載されているのは涸沢だけです。

涸沢までのアクセス

上高地から涸沢へ

上高地から涸沢まではこんな感じです。迷う所はないですが、山と高原地図ぐらいは持参した方がいいと思います。

上高地から横尾までは10kmほどの道のりで、1時間事に山小屋が点在する、ほぼ平地の歩きやすい道が続きます。一時間事に短い休憩を取りながら横尾まで行けるのでリズムも掴みやすいです。

横尾から先は登山者の世界になります。直進は人槍ヶ岳方面、右側は蝶ヶ岳方面に行くのですが、紅葉の時期だと大半(9割以上?)はこの橋を渡って涸沢方面へと向かいます。

横尾までの道のりと違い、横尾から先は、登山道らしくなってきます。涸沢までは三時間の登りです。1時間ほど歩くと本谷橋という橋をわたるので、そこでじっくりと休憩して涸沢までの登りに備える事が望ましいです。涸沢が見えてから、まだ一時間ぐらい登りますので、山小屋が見えても喜ばないようにしてください。途中、短い距離ですがガレ場が有るので、捻挫しないように浮石に注意して歩いてください。道は細めなので、混雑するとすれ違いや抜いたり抜かれたりするのは大変です。

難易度

涸沢を初級コースに入れると、北アルプスで初級・中級・上級をつけづらいぐらいのコースです。北アルプスで最も難易度の低いコースと思ってもらっていいです。16kmと距離は長いのですが、標高差は上高地から800mぐらいなのでそこまでの登りでもありません。関西だと武奈ヶ岳が問題なく登れるなら余裕だと思います。六甲山の銀座コース(芦屋川から有馬温泉)が普通に歩ければ大丈夫じゃないでしょうか。東京に住んでいた時は山に登っていなかったので、関東近郊の山はよく分かりません。

涸沢の混雑について

山小屋

山小屋という性質上、宿泊を求める登山客を断ることはできません。押し寄せる登山客を全て受けいれる必要性があるのです。

そのため、夏休み、シルバーウィークや紅葉時の山小屋では、一つの布団に数名が寝るという状況が涸沢に限らず普通に発生するのです。紅葉時の涸沢は、その中でも最も混雑する山小屋の一つになっています。平日でも、山小屋の入り口には、1つの布団で3名以上でお願いしていますという案内が貼られています。土曜日などはさらに酷い状況だと思います。

一番紅葉が見頃の平日の午前3時前に山小屋のテラスで写真を撮影していると、熱くて眠れないとかイビキがうるさくて、殆ど一睡もできなかったという人と多々出合います。イビキがうるさいということは、イビキをしている人は寝ているということなので、寝れるか否かは個人差もあるようです。明日は、気持よく寝たいとかいって、北穂高岳に向かう登山者もいました。

例年、9月の中旬から下旬になると涸沢の二つの山小屋が予約の終了を発表しますが、予約の有無で待遇が変わることはないらしいので、この時期の予約制度は意味を持たないようです。

涸沢の二つの小屋

いつも当ヒュッテをご利用頂きありがとうございます。
現在、10月2日から8日までの期間のご予約が
既に定員の3倍以上頂いており、大変な混雑が予想されます。
1組の布団を3名様で使っていただく状態です。
どうか、ご理解ご協力をお願いします。
            山口 孝

(涸沢ヒュッテ 公式サイトより)

毎年のことです。ヒュッテがこの状態で、涸沢小屋が空いているとかいうことはありせません。

徳沢

涸沢紅葉時期の予約が殺到しています。横尾山荘さんの予約日が宿泊日の一か月前からですので、9月に入りますとさらに徳沢、横尾地区の宿泊施設の問い合わせが増えます。
毎年のことですが、横尾山荘さんとも密に連絡し、少しでも多くの方に快適に過ごしていただけるようにしているつもりではありますが、あまりにも圧倒的な問合せ数です。
ちょくちょくキャンセルは出る場合もあるのですが、すぐに埋まってしまう状態です。(10月上旬の予約に関しましては、最後に予約を取られた方は6月です。)

(上高地 氷壁の宿 徳澤園より)

徳沢・横尾に泊まり、涸沢に登る人も多いので、この時期の徳沢園・徳沢ロッジ・横尾山荘も激混みします。春の予約開始後直ぐに、紅葉の時期の予約は埋まっているようです。

貸しテント

涸沢

以下の日にちのレンタルテントは予約受付を終了致しました。
 9月20(土)・21日(日)・27日(土)・28日(日)・29日(月)・30日(火)
 10月1日(水)・2日(木)・3日(金)・4日(土)・5(日)・6日(月)・7日(火)・8日(水)・9日(木)・
    10日(金)・11日(土)・12日(日)

(涸沢ヒュッテ 公式サイトより)

涸沢だと貸しテントもありますが、毎年のことながら紅葉の直前に受付終了になります。

2014は予約は終わったので、2015に涸沢に行く予定でテントを持っていない人は一番オススメです。

徳沢

また、どうしても涸沢の紅葉が見たいという方の問合わせが増えているのがレンタルテントについてです。

(上高地 氷壁の宿 徳澤園より)

徳沢にも貸しテントがあります。こちらは涸沢より数が多いので、予約できる可能性は高いかもしれません。

テント

繁栄期の山小屋の状況と、技術進歩によるテントの軽量化で、テント泊する登山者が多いので、テント場にテントが貼れないというような状況が各所で起きていますが、少なくとも涸沢ではどこかしらかには貼れると思います。紅葉時期の三連休には1000張りというありえない数のテントが涸沢には貼られたようです。
山小屋とは異なり、テント場の平日は混雑とは無縁であり、普通のテント場という印象です。200張りから300張りほどはあると思いますが、場所が広いので、混雑しているという印象はあまり感じません。

テント泊の場合は、テントさえ貼れれば、自分の睡眠場所とスペースは確保できますが、トイレや売店の購入の行列には苦労します。三連休の日曜日の朝などは、トイレ待ちが30分とかという状況らしいです。

貼れないということはないでしょうが、徳沢・横尾の両テント場も混雑します。

登山道

涸沢に行く人のほぼ大半は、上高地から入るので、当然ながら週末の登山道は人・人・人で溢れかえります。平日は、疎らという感じです。

三連休初日の上高地。AM6:00。一番の稼ぎ時なので、バスやタクシー会社はピストン輸送で乗客を輸送していますが、それ以上の人が押し寄せるため、時間帯によってはまず上高地に行くのも一苦労です。


涸沢までの中間地点となる横尾。この先、3時間トイレがないので、トイレ待ちが酷いことになっています。もはや秋の名物光景ではないでしょうか。

時間が違いますが、木曜日なら横尾は見ての通り疎らといった状況です。

横尾までは、幅が広い道だったので良かったのですが、横尾から先は道幅が狭くなる(登山道としては普通です)ので、見ての通り行列が発生します。写真は横尾から一時間歩いた休憩地 本谷橋から涸沢に向かう登りです。涸沢まで断続的に続きます。

Link

紅葉と初冠雪の涸沢カール/パノラマコース~天国&地獄 [山行記録] – ヤマレコ

過去の連休の涸沢の様子が分かる記事をリンクしておきます。

工程

  • 1.上高地-涸沢(泊)、涸沢-上高地
  • 2.上高地-徳沢or横尾(泊)、徳沢or横尾-涸沢-上高地
  • 3.上高地-涸沢-上高地

奥穂,北穂に行かなければ3つですかね。

2.徳沢か横尾に泊まる

そもそも朝早く、上高地に行けない

ツアーを中心に徳沢もしくは横尾に泊まる人は多いです。一日で涸沢まで行くのが大変という人もいますが、朝早く上高地に到着しないと当日中に涸沢に辿りつけないわけですが、朝早く上高地に到着するのは大変です。

  • 1.上高地直行夜行バス:さわやか信州号
  • 2.新宿から松本まで夜行列車:ムーンライト信州
  • 3.松本駅で前泊

車の人は、夜中走って関西なら平湯温泉、関東なら沢渡に車を止めて仮眠して朝一のシャトルバスでは入りますが、自分もそうなんですが車を使わない人は朝に入るのは大変です。新宿始発のスーパーあずさとか名古屋始発(新大坂始発の新幹線から接続)のしなのを使っても、上高地を超えるのは11時を超えるので当日中に涸沢に行くのは普通の人の足では不可能です。横尾に何時以降は涸沢方面の入山は止めるようにという張り紙もあります。
夜行列車か夜行バス、もしくは最終で松本に入って適当な所で仮眠して始発の上高地線に乗るぐらいしか選択肢しかありません。

朝の涸沢の美しさを見ないのは勿体無い気もしますが、夜中移動しない人は現実的な選択肢の一つです。

1.涸沢に泊まる

王道ですが。。山小屋の人は、覚悟の上で行くという感じでしょうか。テント泊の人は、平日なら快適で素晴らしい景色を楽しめます。(ただ土曜日に下山するのは大変です。)。土日は山小屋ほどではないですが、色々と覚悟の上です。

3.上高地から涸沢へ日帰り

泊まるのが嫌で一度上高地から日帰りで行っています。そこそこの人数の人が日帰りで涸沢に行っています。コースタイムは11時間なので、普通に歩くと帰りのバスが微妙ですが、少し急げば問題ないです。横尾まで二時間、横尾から涸沢まで2時間弱。涸沢で紅葉を見て早い昼食を食べて、3時間から4時間弱かけて下山です。荷物は雨具,防寒具,ツェルト,ヘッドライト,行動食など最低限の荷物で行きます。

+αのトピック

気温

上の混雑の写真を見ていただければ分かりますが、日中なら、アンダーウェア(長袖Tシャツ)+山シャツかウインドブレーカーみたいな服装の人が多いです。半袖Tシャツの人も居ますが、それはさすがに寒いと思います。夏山は暑いし、厳冬期は寒いので分かりやすいのでが、この時期は寒ければ寒いし、暑い時は暑いので持っていく服が難しいです。

夕方から明け方にかけてはかなり温度は下がります。氷点下になることは少ないとは思いますが、防寒対策は必要です。朝、涸沢のテント場からモルゲンロートを見る人達の写真を載せています。ダウンやフリースや雨具を羽織ったり、ニット帽や手袋などをしています。荷物になるので過剰な防寒具も困りますが、最低限の装備は必要だと思います。

携帯電話

上高地は観光地ですので、どのキャリアも繋がりますが、横尾に向けて歩くと明神の前後で携帯の電波は入らなくなります。徳沢・横尾はどのキャリアも電波は入りません。涸沢は、Docomoは電波は弱いながらも入りますが、AUやソフトバンクは入りません。山ではDocomoは優位です。(最近、徳沢や横尾にアンテナを立てる話を聞いたので変わっているかもしれません。

テント

石の多いテント場ですが、ある程度整地された場所が多く出来ているので、テントの大きさによって場所を選ぶことになります。見ての通り、石は豊富ですので、ペグではなく石でテントを固定することになります。

場所柄、風は弱いです。水とトイレは、2つの山荘のどちらかのを利用させてもらいます。涸沢ヒュッテの方が近く、トイレの数が多いので、多くはヒュッテを利用することになります。

テントとシュラフのスペック

風がそこまで強い場所ではないので、山岳用テントでなくても潰れたりとかいう心配はないですが、軽くてコンパクトなテントでないとここまで持ってこれないと思います。

シュラフは、モンベルなら#3のラインになります。ただ、最近モンベルの温度表示方法が変わっており、それを参考にすると#3だと寒いように思えるのですが、かといって#2とか#1を秋の2000m帯に使うのかという気持ちもあります。#3で泊まった感想だと、夜中にダウンも着込んでも寒いなと思って目が冷めましたが、カイロで温めたら、いつの間にか朝だったみたいな感じです。寒くて眠れなかったという人の話も聞きますし、いや3シーズン用でしょう声もあります。

売店

涸沢といえば、おでんです。

涸沢の写真を5枚ほど。

涸沢の東側には、標高の高い常念山脈が連なっていますので日の出は見えません。変わりに、穂高の山に日が当たるモルゲンロートが見れます。涸沢に泊まった人だけの特権です。

涸沢にかかる虹。

涸沢ヒュッテと紅葉。

涸沢から少し上に登ってきた場所から見る紅葉。

色とりどりのテントと紅葉。

色々と書いていたら長くなりました。人は多いですが、紅葉は素晴らしい場所です。生で初めて見た人は感動すると思います。

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